生産風景
日光ろばたづけができるまで
この動画を作成し、だいぶ時間が経ちました。
この間にこの当時名もなき醤油は日光東照宮献上醤油「譜代相伝」として皆様の前に。
袋詰めのパッケージは少しだけ洗練されましたでしょうか?
あとついでですが、私も2階級昇進いたしました。ん~懐かしいなぁ。
ろばたづけができるまで
昭和62年までこの工場でも塩漬けも行っていましたが、色々ありました…
残業は当たり前で夜遅くまでかかることもあり、近所にある食堂に出前を頼みました。
配達に来てくれたおふくろさんが見かねて手伝ってくれるという、昭和のなんともほのぼのとした時代でした。
ちなみにその食堂は引っ越して駅前でもないのに「駅前食堂」
…落合地区の隠れた珍百景です。
「漬物は押しが命」
この重石は一つが500kg。物によっては4個(2t)も載せるものまで。
この水は大根に重石を乗せると出てくる大根の水分です。
この水面にうっすらとカビが生えることがありますが、そのカビは他の雑菌から原料を守ってくれています。
うまくできているんだなぁ…と”先人たちの知恵に感謝です。”
その後塩抜きを行います。自社醸造の醤油に漬け込む工程に進みます。
浸透圧の関係で初めは度数の低い醤油で漬け込み、その醤油は大根の匂いがきついので廃棄となります。
徐々に濃度を濃くしていき、太いものになると7回程の漬け返しを行います。
何度も繰り返し漬け返しを行うことで、だいこんの匂いは和らぎ、醤油の香りが際立ちます。
この手間ひまを怠ると、この馥郁とした香りと豊かな味わいは醸し出せません。
こうしてようやく味の原点「だいこん」の漬け込みは完了します。(およそ2週間)
美味しい醤油を造り おいしい漬けものを漬ける
弊社が醤油造りから行っていることはあまり知られていませんが、それには理由があります。
弊社の醤油は穀物由来の豊かな甘味と香りが特長です。
手間ひまかけた生醬油に再仕込み製法を取り入れた秘伝の二段仕込製法。
社内でも蔵に入れるのはわずか数名のみ。
およそ半世紀の間「秘蔵」としていたこの醤油は、
近年日光東照宮献上の栄を賜り「譜代相伝」として歴史の表舞台に立ちました。
その後も創業の礎である糀造りを見なおし、この頃ようやく品質も納得のいくものに。
日光ろばたづけの歴史は今までも そしてこれからもずっと 譜代相伝の歩みとともに
醸造の技にも磨きをかけて現在も試行錯誤を繰り返しております。
上記で弊社の醤油造りが知られていないと書きましたが、
平成25年春「譜代相伝」を発売するにあたり、店舗のスタッフからこんな質問を受けました。
「この醤油どこで造っているんですか?」
この製法は当時社外秘は勿論、徹底して社内秘をも貫いていました。
まさかこのような質問が身内からされるとは予想していませんでしたが。
そしてこのような素晴らしい製品になることなど誰も想像だにしていませんでした。
ご縁あって遠く鹿児島の地でこだわりの焼豚、ぜひ一度味わってみてください。
話は飛びましたが、カット工程です。
(左)(中央)は第1沈殿槽。この赤い魚…鯉じゃないですよ。
15cmほどはあるでしょうか、この金魚。いや~育ったねぇ…
(右)その上澄み液だけを第2沈殿槽に送る通路となっています。
3匹のうち左と右はまぎれもなく鯉なんですが、
真ん中のちっこいのは活きのいい金魚が第1沈殿槽から出張中です。
おっきな鯉に囲まれても元気にやっています。
地球環境に配慮を欠いては近隣の方々にご迷惑をかけてしまいます。
ましてや今はECOな時代です。
弊社では昭和63年には浄化槽を設置。
市の定める基準値を大幅に下回る数値で河川に放流しています。
水も使うだけではなく、きれいにして地球に還しております。
そうした工程を経て「日光ろばたづけ」”だいこん”はようやく完成です。
世にたまり漬けは数あれど、この香この味ただ一つ
「たまり漬け」ではなく敢えて「日光ろばたづけ」と名付けたのは、
日光にこの味を探しに来た方も迷わずご来店いただけるようにするため。
昔はインターネットなど存在すらしなかった時代、
調べるにも知人から聞いた情報を基に自分の足で探すしかなかったころ…
包装紙や食べ終えた袋を片手に日光中を探してくださった方がおりました。
宇都宮では駅の構内にある売店でしか販売していなかったため、
わざわざ入場券を買ってお求めいただいた方もいらっしゃいました。
その当時から40年以上が過ぎました。
私たちにできることはこの味を進化させ、守り続けること。
ごはんに合う漬けものを漬けるなら、ごはんに合う醤油を造れば良い。
ごはんに合う醤油を造るなら、お米をたくさん使えばよい。
考えてみるととてもシンプルな答えです。
しかし、単純な答えだからこそ辿りつけない「解」があるのだと思います。
「糀」を扱う醸造業に「これで良い」という答えはないと思います。
常により良い味わいを求め、糀造りから理想の醤油造りを行う。
我々はこの果てしない道のりの、ほんの入り口に踏み入れたにすぎません。
精一杯の感謝をこめて、
我々の日々が皆様の喜びに繋がると信じ努力してまいります。
弊社人気商品の高知四万十産しょうがの原料の生産調整を視察も兼ねて、ワタクシ漬物野郎は11年振りに
日本最後の清流と云われる高知四万十に行ってまいりました!
ここ高知県は昼夜の寒暖差が激しく夏場の日中はもちろん暑いのですが、晩には肌寒いときもあるほどです。
高知の自然に鍛えられた農産物は逞しく、この小生姜に関しては何と言ってもこの辛味が格別です。
生姜の生産は栃木県が北限と云われており、当時は壬生町や足利、地元鹿沼などで生産していたものを使用していました。
この生姜を求めて弊社では三十数年前(私が保育園を卒園するかしないかの頃…)
「三州という小生姜を作れないか」と、四万十農協(当時は窪川農協)さんを訪ねました。
当時から大生姜の一大産地として名を馳せていたここ四万十も、この三州という品種の小生姜は作っておらず、勿論初めて見るシロモノ。持ち込んだ当時の農協さんの第一声が「こんなもん生姜やないで!?」だったそうです。
生産風景初アップです♪ (9/6)
今回は今が旬のしその実です!原料は採れたて日光産!!
買い付けしたら一目散に本社工場へ向かいます!
でないとしその実がほとっちゃって真っ黒になってしまいます。